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保険営業の新人が育たない5つの理由|育つ代理店がやっていること

保険代理店で新人の育成を担当する上長が面談で指導しているイメージ

採用はできた。研修にも出した。それでも半年たって、まだ1件も挙がらない。

保険代理店の経営者や営業所長から、よく聞く話です。同じことが何人か続くと、「今年の採用が悪かったのだろうか」と考え始めます。

けれども、繰り返し起きていることには、たいてい共通の原因があります。そして原因の多くは、新人本人ではなく、迎え入れる側の設計にあります。

この記事では、新人が育たない理由を5つ、すべて育てる側の欠落として整理します。そのうえで、新人が育っている代理店が何をしているのかを4つに分け、明日から着手できる一手までをお伝えします。

この記事を書いた人

minal編集部

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保険・不動産・金融など「お金」を扱う仕事の現場でどうすれば成果がでるのか。ただの知識だけではなく、活きた学びをお届けします。「売り上げに繋がる学びを、あなたへ。」をコンセプトに、発信しています。

「新人が育たない」の原因は、本人より設計にある

同じ人でも、入る先によって立ち上がり方は変わります。前職では平凡だった人が、移った先で早く伸びることもあれば、その逆もあります。この差は、本人の資質だけでは説明がつきません。

判断の目安になるのが、「同じことが何人に起きているか」です。1人なら相性の問題かもしれません。3人続いたなら、本人ではなく、受け入れる側の何かが原因になっている可能性が高くなります。

「やる気がない」「この仕事に向いていない」で結論を出すと、そこで検討が止まります。原因が本人の中にあることにしてしまうと、次に採用した人にも同じことが起きます。

問題の言い方を「うちの新人が育たない」から「うちには新人が育つ順番がない」に変える。ここから先は、自分たちで直せる話になります。

保険営業の新人が育たない5つの理由

以下の5つは、どれも「教える側が悪い」という話ではありません。日々の商談を抱えながら育成もしている現場では、自然にこうなる、という構造の話です。自店に当てはまるものを探しながら読んでみてください。

育たない理由現場で実際に起きていること
①「見て覚えろ」になっている同行はしているが、何を見るかを決めていない
②最初の90日が空白商品知識は教えたが、顧客獲得の部分が抜けている
③教え方が自己流教える人によって言うことが違い、新人が迷う
④到達点の基準がない契約が挙がるまで、育っているかどうか誰にも分からない
⑤最初の失敗のあとが放置断られた理由が分からないまま、行動量だけが落ちる

理由1|「見て覚えろ」が教育の代わりになっている

同行はさせている、という代理店は多くあります。問題は、同行の中身が指定されていないことです。

売れる人の商談は、情報量が多くなります。話す順番、間の取り方、相手の反応の拾い方が同時に進んでいて、初めて見る人には要素が分解できません。だから新人は、その場の空気だけを持ち帰ります。

必要なのは、同行の前に「今日はこの1つだけ見てくること」と決めることです。今日はヒアリングの入り方だけ、次回は資料を出す順番だけ、と限定すると、見えるものが変わります。商談後に「何が見えたか」を口に出させるところまでを一組にすると、同行が教育になります。

理由2|最初の90日に何を教えるかが決まっていない

新人が入ると、商品知識と社内システムの使い方は教えます。ここは教える内容がはっきりしているからです。

抜けやすいのは、顧客獲得の部分です。誰に会うのか、どうやって会うのか、会って最初に何を話すのか。ここが決まっていないと、「まずは知り合いに声をかけてみて」から始まります。そして知り合いのリストが尽きた時点で、行動が止まります。

止まった新人は、次に何をすればいいか分かりません。上長に聞いても「とにかく動け」としか返ってこなければ、動く先がないまま時間だけが過ぎます。

最初の3か月に何をどの順番で教えるかを、紙1枚でいいので決めておく。それだけで、止まる場所が減ります。期間の区切りは代理店ごとに違って構いません。大切なのは、順番が決まっていることです。

理由3|教える人が「売れる人」で、教え方は自己流

育成を任されるのは、たいてい成績のよい人です。自然な人選ですが、ここに落とし穴があります。

売れることと、教えられることは別の技能です。売れる人ほど自分の動きが無意識になっていて、「なぜそうするのか」を分解できません。結果、「とにかく数を打て」「気持ちで負けるな」といった、本人には正しいが再現できない言葉になります。

教える人が複数いる場合は、さらに厄介です。Aさんは「事前に資料を作り込め」と言い、Bさんは「資料より会う回数だ」と言う。どちらも経験に裏打ちされていますが、新人はどちらに従えばいいか分からず、判断のたびに止まります。

理由4|「できるようになった」を測る基準がない

多くの代理店で、新人を測る物差しは契約件数です。ほかに数えられるものがないからです。

しかし契約が挙がるまでには時間がかかります。その数か月のあいだ、本人にも上長にも、進んでいるのか止まっているのかが分かりません。分からないので、褒めることも直すこともできません。

新人の側から見ると、この期間が一番きついところです。やっていることが正しいのかどうかの手応えがないまま、毎日を過ごすことになります。

理由5|最初の失敗のあとにフォローがない

新人が最初に強く断られたとき、その扱い方が、その後の行動量を左右します。

多くの場合、「気にするな、よくあることだ」で終わります。励ましとしては正しいのですが、これでは本人は原因が分からないままです。分からないので、次も同じ断られ方をします。それが3回続くと、電話をかける前の手が止まるようになります。

断られた直後こそ、何が起きたのかを一緒に言葉にする時間が要ります。どこまでは聞いてもらえたのか、どの一言で空気が変わったのか。振り返れば次に直す場所が見つかりますし、「断られること自体は失敗ではない」と伝えることにもなります。

「教えるより自分で動いたほうが早い」という構造

ここまでの5つは、どれも「教える時間を取れば解決する」ように見えます。しかし現実には、そう簡単にはいきません。理由がひとつあります。

顧客獲得が得意な人ほど、教えるより自分で動いたほうが早いからです。

新人に1時間かけて教えるあいだに、自分で商談に出れば数字が立ちます。しかも教えたところで、すぐに数字になるとは限りません。プレイングマネージャーとして自分の目標も背負っているなら、自分で動くほうを選ぶのは、怠慢ではなく合理的な判断です。

だから、放っておくとこの形に落ち着きます。そして結果として、その代理店で最も価値のある知見が、その人ひとりの中に留まったままになります。売れる人が引退や独立でいなくなったとき、何も残らない、ということが起きます。

この問題は、「もっと後輩を見てあげてください」というお願いでは動きません。個人の善意に頼っている限り、忙しくなれば元の状態に戻ってしまうためです。

向かうべき方向は、教える負担を人から仕組みへ移すことです。教える中身を、その人の頭の中ではなく、資料や動画やチェックリストの側に置く。そうすると、売れる人に求めるのは「1から教えること」ではなく「できているかを見て、ずれていたら直すこと」だけになります。時間の使い方としては、ここまで下げないと続きません。

育つ代理店がやっている4つのこと

新人が育っている代理店が、特別なことをしているわけではありません。先ほどの5つの欠落を、1つずつ埋めているだけです。

育たない理由育つ代理店がやっていること
①「見て覚えろ」教える順番が決まっている
②90日が空白順番のとおりに、誰が入っても同じ道を通る
③教え方が自己流誰が教えても同じ内容になる
④基準がない到達点が行動で定義されている
⑤失敗のあとが放置記録が残り、どこで止まったかが見える

1|教える順番が決まっている

入社1週目に何を、2週目に何を、と順番が決まっています。内容そのものより、順番が決まっていることに意味があります。

順番があると、遅れがどこで起きたかが分かります。「3週目の見込み客リストづくりで止まっている」と特定できれば、手の打ちようがあります。順番がないと、「なんとなく進んでいない」としか言えません。

2|誰が教えても同じ内容になる

教える中身が、人ではなく資料や動画の側にあります。だから教える人が変わっても、新人が受け取る内容は変わりません。

このとき、教える人の役割も変わります。「伝える人」から「確認する人」になるということです。1から説明する必要がなくなるので、負担そのものが軽くなります。先ほどの「教えるより自分で動いたほうが早い」問題に対して、現実的に効くのはこの形です。

3|到達点が行動で定義されている

「アポの取り方を理解した」ではなく、「一人で3件アポを取った」の形で書かれています。理解したかどうかは本人にしか分かりませんが、やったかどうかは外から見えます。

  • 見込み客リストを、自分の言葉で20件分書き出した
  • 電話の一言目を、上長の前で言えるようになった
  • 同行なしで初回面談を最後まで進めた
  • 断られた面談の振り返りを、自分から持ってきた

このように書いておくと、契約が挙がる前でも進捗が見えます。本人にとっても、次に何をすればいいかが分かる状態になります。数字は代理店ごとに決めて構いません。ここに挙げたのは書き方の例です。

4|記録が残る

誰に何を教えたか、どこまで到達したかが、記録として残っています。

記録の目的は、本人を評価することではありません。次の新人のためです。3人目、5人目と入ってくるたびに、教える側は同じ説明を最初から繰り返しています。どこでつまずいたかの記録があれば、次はその手前に説明を足せます。育成が、代理店の資産として積み上がっていきます。

なお、保険代理店では募集人の教育について、実施内容を記録し体制として整えることが求められる場面があります。制度面の考え方は保険営業のコンプライアンス・保険業法の注意点にまとめていますので、あわせてご確認ください。

明日から変えられる小さな一手

ここまで読んで、「たしかにどれも足りていない」と感じた方が多いかもしれません。ただ、全部を一度に整えようとすると、たいてい着手できないまま終わります。育成の仕組みづくりは、日々の商談に押されて後回しになりやすい仕事だからです。

最初にやることは、1つで十分です。

  1. 直近で辞めた、または伸び悩んだ新人を1人思い浮かべ、その人がどこで止まったかを書き出す
  2. その1か所だけを、次の新人のための手順として言葉にする(紙1枚で構いません)
  3. 次に教える人に、その手順どおりに教えてもらい、同じように伝わるかを確かめる

3つ目まで進むと、その手順が本当に他の人でも使えるものかどうかが分かります。使えなければ、書き足りない部分が見つかります。これを1か所ずつ増やしていくと、順番が形になっていきます。

なお、新人に教える中身として最初に必要になるのが、見込み客を切らさないための動線です。紹介を偶然に任せず手順にする方法は「保険営業の紹介を増やす「仕組み化」5ステップ」で解説しています。教える側が、そのまま教材として使える形で整理しています。

顧客獲得の型そのものを代理店として持ちたい場合は、minalの研修もひとつの選択肢です。教える中身が固まっていないまま人を増やすと、育成の負担だけが増えていきます。

まとめ|育つかどうかは、入った先の設計で決まる

新人が育たない理由を5つ整理しました。「見て覚えろ」になっている、最初の90日が空白、教え方が自己流、到達点の基準がない、最初の失敗のあとが放置されている。どれも本人の資質ではなく、迎え入れる側の設計の話です。

そして、その裏には「顧客獲得が得意な人ほど、教えるより自分で動いたほうが早い」という構造があります。これは個人のやる気で解決する問題ではなく、教える負担を仕組みへ移すことでしか変わりません。

育つ代理店がやっていることは4つでした。教える順番が決まっている。誰が教えても同じ内容になる。到達点が行動で定義されている。記録が残る。

まずは1人分・1か所だけ。直近で止まった新人がどこで止まったかを書き出すところから始めてください。そこが、自店の仕組みの最初の1ページになります。

育成の順番づくりや、教える中身の言語化について具体的に考えたい方は、minalの研修・セミナーもあわせてご活用ください。

あわせて読みたい:保険営業の紹介を増やす「仕組み化」5ステップ/保険営業のコンプライアンス・保険業法の注意点


※本記事は営業・育成ノウハウの解説であり、特定の保険商品の推奨・比較や個別の保険勧誘を目的とするものではありません。保険業法など制度の取り扱いは変動する場合があるため、実施の可否や条件は所属先・公式の案内で確認してください。

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現場で顧客獲得に取り組んできた方に登壇いただき、そのやり方を、ほかの方が再現できる形の研修にしています。「あの人だからできる」で終わらせないことが、私たちのテーマです。